社員旅行は突然に。パート3

瑞月
社会人編の社員旅行ネタです。



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【高彬、今どこ?あたしは兼六園】

【ぼくは浅野川大橋の辺り。浅野川はちょっと鴨川に似てるよ】

【ふぅん、いいわね】

「────やぁねぇ、携帯見ながらニヤニヤしちゃって」

ふいに後ろから声を掛けられ、慌てて携帯を隠す。

「観光も終って、もうそろそろ旅館に戻るんだしいいじゃない。じきに会えるわよ」

「そんなんじゃないさ」

一応、そう言ってみたけれど水無瀬はごまかされなかったみたいで(ふふん)と笑って見せた。

班ごとのマイクロバスが旅館に三々五々戻ってきて、ようやくグループ行動から解放される。

さすがに部屋は班ごとに分けられておらず、ぼくは同じマーケティング部の水元と言う同僚と、瑠璃さんも同じくマーケティング部の女子社員と一緒の部屋だった。

7時から大広間で宴会と言う事で、それまでにそれぞれが温泉に浸かり、旅館備え付けの浴衣に着替える。

「温泉旅館の浴衣着て大広間で宴会なんて、随分とベタな社員旅行だよな」

温泉から大広間に向かう途中、水元が笑い

「だよな」

ぼくも笑い返した。

「今上さんならもうちょっと洒落た企画、考えそうなのにな」

「あの人の限界じゃないのか」

「だな」

水元との会話で、昼間の不本意の<班分け>の溜飲を下げ、気分良く大広間に入っていったぼくは、自分の愚かさに歯軋りしてしまった。

広間に集まっている社員は当然のごとく全員が浴衣姿で、つまりは鷹男チーフが風呂上がりの瑠璃さんの浴衣姿を見る、と言う事なのだ。

しかも、またしても実行委員長の権限を発動して、同じテーブルに実行委員を集めている。

瑠璃さんは鷹男チーフの隣の席で、その瑠璃さんはと言うと、濡らさない為か髪を緩く上にあげていて、遠目からみてもほつれ髪のある項の辺りが妙に色っぽい。

鷹男チーフは瑠璃さんの首の辺りを指さしながら何事かを笑いながら言い、瑠璃さんはサっと顔を赤らめたりしている。

くっそー、鷹男チーフめ。

どこまでも自分に都合よく企画を立てやがって・・

「はい、藤原くんの席はここ。水元くんの席はここ」

水無瀬の言われ見てみるとテーブルには名前プレートが置かれており、ぼくは渋々、腰を下ろした。

宴会はまたしても実行委員長───鷹男チーフの挨拶で始まった。

ありきたりな挨拶が終わり、乾杯の音頭になるかと思いきや

「最後にもうひとつ」

鷹男チーフが気取って指を立ててみせた。

「この宴会の後、卓球大会があるので、勝ちたい奴は飲み過ぎないように気を付けて欲しい。卓球大会は部署別で行われ、優勝した部署には豪華景品がある」

会場がどよめき

「ただし」

鷹男チーフは皆を制すると

「最下位のチームには罰ゲームがある」

今度は悲鳴のような声が上がった。

「罰ゲームの内容はと言うとだな・・」

鷹男チーフはニヤリと笑い、たっぷりの間合いを取ったあと、ゆっくりと発表したのだった・・・








~続きます。(「社会人・社員旅行編」連載中)


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